2023.09.26
生成AI、ビジネス継続利用者はわずか7.8%、活用障壁は使い勝手や信頼性に関する項目が上位を占め、サービス導入時はセキュリティを最重視
AIプラットフォームを提供するAI inside 株式会社(代表取締役社長CEO:渡久地 択、本社:東京都渋谷区、以下「AI inside」)は、2023年7月に、正社員および経営者・役員として働いている20〜59歳の男女1,161名を対象に、生成AIの活用実態・意向を把握するための調査を実施しました。
調査背景
生成AI*1が世界的に大きな注目を集めています。テクノロジーの革新性と進歩の速さに加え、社会やビジネスを変革する大きな可能性に期待が寄せられており、その技術・市場動向などについて様々なメディアや個人から情報が日々発信されています。
産業革命に匹敵しその早期活用が日本の国際競争力を復活させるとも評され、長期にわたり継続して大きな話題を呼ぶ生成AIについて、日本のビジネス現場では実際に活用が進んでいるのか、進んでいない場合は何が課題となっているのかなどを明らかにすべく、ビジネスパーソンを対象にアンケート調査を実施しました。
*1 コンピュータが学習したデータを元に、新しいコンテンツやアイデアなどを生成することができるAI。生成系AIやGenerative AI(ジェネレーティブAI)とも呼ばれる。
調査結果のサマリー
- 生成AIの認知について、知っている・聞いたことがある【生成AI認知者】は、回答者の約半数にとどまる55.5%であった。
- 生成AIのビジネス活用状況について、継続利用している【生成AI継続利用者】はわずか7.8%で、利用したことがない【生成AI未利用者】が大多数の84.4%を占めた。
- 【生成AI未利用者】が生成AIをビジネス活用しない理由、第1位「回答結果の正確性に懸念がある」(28.7%)、第2位「使い方のイメージがわかない」(21.6%)、第3位「法整備が不十分なことに懸念がある」(20.5%)、第4位「AIによるバイアスなど倫理的観点の懸念がある」(19.4%)、第5位「セキュリティに懸念がある」(19.0%)。
- 【生成AI認知者】が生成AIサービスを選定する際に重視するポイント、第1位「セキュリティの信頼性の高さ」(41.5%)、第2位「回答精度の高さ」(30.6%)、第3位「導入費用の妥当性」(25.5%)、第4位「操作の簡単さ・わかりやすさ」(21.6%)、第5位「日本語に特化して学習されている」(20.7%)。
調査結果の詳細
■生成AIの認知について、知っている・聞いたことがある【生成AI認知者】は、回答者の約半数にとどまる55.5%であった。
生成AIの認知に関する設問では、「知っている・聞いたことがある」と回答した【生成AI認知者】は55.5%で、「知らない・聞いたことがない」と回答した【生成AI未認知者】は44.5%の結果になりました。
生成AIに関連する日々のニュースの多さから伺える注目度の高さと比べると、生成AIという言葉を認知しているビジネスパーソンは55.5%にとどまり、生成AIという言葉はまだ世の中に浸透しきっていないことが明らかとなりました。
■生成AIのビジネス活用状況について、継続利用している【生成AI継続利用者】はわずか7.8%で、利用したことがない【生成AI未利用者】が大多数の84.4%を占めた。
生成AIのビジネス活用状況に関する設問では、「継続利用している」と回答した【生成AI継続利用者】はわずか7.8%にとどまり、「利用したことはあるが継続利用していない」と回答した【生成AI未継続者】も同様に7.8%のみの結果となりました。また、「利用経験なし」と回答した【生成AI未利用者】が84.4%と大多数を占めました。
生成AIはあらゆる企業・団体のDXを加速させる革新的なテクノロジーとして大きな期待が寄せられている一方で、実際のビジネス現場ではほとんど活用されていない実態が明らかとなりました。
■【生成AI未利用者】が生成AIをビジネス活用しない理由、第1位「回答結果の正確性に懸念がある」(28.7%)、第2位「使い方のイメージがわかない」(21.6%)、第3位「法整備が不十分なことに懸念がある」(20.5%)、第4位「AIによるバイアスなど倫理的観点の懸念がある」(19.4%)、第5位「セキュリティに懸念がある」(19.0%)。
【生成AI未利用者】(n=464)を対象に、生成AIをビジネス活用しない理由を複数選択で伺いました。結果は、第1位「回答結果の正確性に懸念がある」(28.7%)、第2位「使い方のイメージがわかない」(21.6%)、第3位「法整備が不十分なことに懸念がある」(20.5%)、第4位「AIによるバイアスなど倫理的観点に懸念がある」(19.4%)、第5位「セキュリティに懸念がある」(19.0%)の結果となりました。(「その他」「特に理由はない」を除く15項目/第6位以下は注釈*2に記載)
回答結果の正確性や法整備・倫理的観点・セキュリティへの懸念といった生成AIに対する「信頼性」に加え、使い方のイメージがわかないといった「使い勝手」に関わる項目が上位を占めました。これらが【生成AI未利用者】にとって活用の障壁となっていると考えられます。また、「自身の業務が代替されることに懸念がある」(5.2%)は第15位の結果となり、AIに仕事が奪われる懸念を抱えているビジネスパーソンは少ないことがわかりました。
*2 第6位「業務やビジネスで必要に感じない」(14.2%)、第7位「利用を開始する方法がわからない」(11.2%)、第8位「海外企業のサービスの利用に抵抗がある」(10.6%)、第9位「サポート体制が不十分である」(8.2%)、第10位「自身の思考力が衰えることに懸念がある」(7.8%)、第11位「会社で利用が禁止されている」(7.3%)、第12位「プロンプト(AIへの指示)を考えるのが手間」(5.8%)、第13位「使い始めるための社内承認プロセスが手間」(5.4%)、第14位「自身の業務が代替されることに懸念がある」(5.2%)、第15位「返答に時間がかかる」(4.3%)
■【生成AI認知者】が生成AIサービスを選定する際に重視するポイント、第1位「セキュリティの信頼性の高さ」(41.5%)、第2位「回答精度の高さ」(30.6%)、第3位「導入費用の妥当性」(25.5%)、第4位「操作の簡単さ・わかりやすさ」(21.6%)、第5位「日本語に特化して学習されている」(20.7%)。
【生成AI認知者】(n=644)を対象に、職場で活用する生成AIサービスを選定する際に重視するポイントを複数選択で伺いました。結果は、第1位「セキュリティの信頼性の高さ」(41.5%)、第2位「回答精度の高さ」(30.6%)、第3位「導入費用の妥当性」(25.5%)、第4位「操作の簡単さ・わかりやすさ」(21.6%)、第5位「日本語に特化して学習されている」(20.7%)となりました。(「その他」「重視することはない」を除く15項目/第6位以下は注釈*3に記載)
個人ではなく会社としての判断が求められるサービス選定のシーンでは、「セキュリティ」に対する意識が高くなることが明らかとなりました。また、本設問においても、操作の簡単さ・わかりやすさなど「使い勝手」に関する項目が上位に入っており、生成AIをビジネス活用するうえで重要性が高いことが伺えました。
*3 第6位「活用できる業務が明確である」(20.0%)、同率6位「導入効果のわかりやすさ」(20.0%)、第8位「無料トライアルができる」(14.4%)、第9位「導入前後のサポートがある」(14.3%)、第10位「社内の既存のツールとの連携のしやすさ」(13.4%)、第11位「国産サービスである」(12.3%)、第12位「導入実績が豊富」(12.0%)、同率12位「カスタマイズ性の高さ」(12.0%)、第14位「スピーディーな回答」(11.2%)、第15位「シェア・知名度の高さ」(6.1%)
AI inside の生成AIに関する取り組み
AI inside では、独自の日本語LLM「PolySphere-1(ポリスフィア-ワン)」を開発するとともに、これを日本国内サーバーにてお客様専用のプライベート環境を構築することができる独自のAI統合基盤「AnyData」上で運用することを実現しました*4。これにより、生成AIをセキュアな環境で提供することが可能です。
また、誰もが簡単に生成AIの恩恵を受けられるサービスとして、あらゆる業務を汎用的に支援するAIエージェント「Heylix」を開発し、クローズドβ版の提供を開始しています。ユーザは人に話しかけるように「Heylix」へ指示を出すだけで、生成AI・予測AI・認識AIなどのテクノロジーを組み合わせて自律的にタスクを実行するマルチモーダルAI「Buddy」が即座に生成されます。「Buddy」はユーザ間でシェアすることができるため、生成AIの使い方がわからない方やAI・ITに関する専門知識がない方でも、既に作成された「Buddy」を利用することで、簡単に自身の業務に生成AIを組み込み、高度なDXを実現することができます。
さらに、「生成AI・LLM伴走型リスキリングプログラム」も提供しています。受講いただくことで、生成AIの概要やその適切な活用方法、プロンプトエンジニアリングに関する基礎知識などを短期間で習得できます。加えて、自社ビジネスの課題解決に寄与するユースケース創出とその実導入もワークショップ形式で支援します。AIテクノロジーとその事業化に深い知見を持つプロフェッショナル人材を結集したAI実装コンサルティングチーム「InsideX」が一気通貫で伴走することで、あらゆる企業・団体の生成AI・LLM活用とDX推進に貢献します。
「Heylix」について:https://service-heylix.inside.ai/
「InsideX」について:https://insidex.inside.ai/
*4 7月6日発表「AI inside、日本語LLMサービス「PolySphere-1」の運用をAI統合基盤「AnyData」で実現、セキュアなプライベート環境をわずか数分で構築」
調査概要
調査主体:AI inside 株式会社
調査機関:株式会社クロス・マーケティング
調査地域:全国
調査対象:正社員および経営者・役員として働いている20〜59歳の男女
調査期間:2023年7月13日(木)~2023年7月17日(月)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:本調査1,161サンプル
AI inside 株式会社について
AI inside は、生成AI・LLMや自律型AIをはじめとした最先端テクノロジーの研究開発および社会実装を行うテックカンパニーです。データドリブンなビジネス変革に貢献するマルチモーダルなAIソリューションやプロフェッショナルサービスを政府機関・地方公共団体・民間企業へ広く提供しています。独自のAI統合基盤を活用しながら、あらゆる企業・団体のDXを一気通貫で支援しAIのビジネス活用を推進することで、誰もが意識することなくAIの恩恵を受けられる豊かな社会を実現します。
社名:AI inside 株式会社
所在地:東京都渋谷区渋谷3-8-12 渋谷第一生命ビルディング4階
代表者:代表取締役社長CEO 渡久地 択
設立:2015年8月
事業内容:人工知能および関連する情報サービスの開発・提供HP:https://inside.ai
※文中の製品またはサービスなどの名称は、AI inside 株式会社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
AI inside 株式会社 広報担当 TEL:03-5468-5041 E-mail:pr@inside.ai